013 : 深夜番組



仕事で泊まったホテル。相葉ちゃんと同じ部屋。
いつも通りのはずなのに、何だか雰囲気は気まずい感じ。
ベッドに並んで座って、することも無いからテレビをつけて。
下らない深夜番組を、この雰囲気を何とかするためにじっと見詰めた。

「松潤……」
名前を、呼ばれる。
何でも無いような口調だけど、響きがすごく真剣で、それがちょっと怖かった。
「……ん。何?」
わざとテレビに気を取られている様子を装って、画面から目を離さないまま気の無い感じで答えてみせる。

「……」
「……」

しばらく黙っていると、横から本当に微かな溜め息が聞こえた。
「……それ、面白い?」
「まあね〜」
相葉ちゃんの声のトーンが、さっきまでとは微妙に違う。
どうやら一旦は諦めてくれたらしくて、俺はちょっとホッとした。

ごめん、相葉ちゃん。
俺、まだニノを見て居たいんだ。
今のままの関係を崩したくない。

だから今は何も云わないで。

「……俺、諦めないからね」
ほとんど聞き取れないほどのひどく小さなその囁きを、俺は聞き逃したということにした。